お知らせ
ポストコロナを視野に入れた成長戦略(理事長 亀田隆明) 2022/01/04
理事長
亀田 隆明
医療法人鉄蕉会は、2020年1月末の武漢からの邦人帰国者の受け入れ対応から新型コロナウイルス感染症との戦いが始まり、その後、特に重症者の受け入れを中心とした感染症治療の最前線に立ち続けてまいりました。
受け入れ患者さまの分布は、安房2次医療圏からの方が22%、78%の方が県内の他医療圏ならびに県外にお住まいの方でした。また、当院から部長をはじめ感染症の医師達が出向して診療にあたっている成田赤十字病院でも、感染症科の医師等が昼夜を問わず重症患者の治療に対応してくれたと、院長の角南勝介先生から嬉しいご報告をいただき、大変誇らしく思っております。亀田のスタッフがまさにローカル&グローバルの精神を発揮して他所で活躍する姿は頼もしい限りです。コロナのパンデミックによって、従来の細かい地域医療構想だけで医療体制を論ずることが、もはや適当でないことを物語る良い例かと思います。
緊急事態宣言が繰り返された中、当法人は着々とポストコロナに向けての準備を進めてまいりました。2022年度に向け、国際基準に見合った感染症対策を施した手術室2室を含む5室の手術室増設、手術室は合計27室になります。麻酔科医の増強と麻酔看護師の育成をはじめ手術室を運営するスタッフの強化も進めております。麻酔看護師育成プログラムは、2021年、IFNA(International Federation of Nurse Anesthetists:国際麻酔看護師会)から正式なプログラムとして国内初の認定をいただき、既に3名が登録され、今後は毎年3名の新しい麻酔看護師が誕生します。また、昨年発足した高度臨床専門職センターでは、特定行為看護師をはじめとする多職種にわたるコメディカルの専門性向上をはかり、更なる医師のタスクシフティングを進めてまいります。
耐震性に問題があるということで長年懸案となっていたD棟の移転先であり、災害対策棟でもあるG棟は、2022年2月に完成いたします。ポストコロナに向けて本院のキャンパス整備が進むと同時に、亀田京橋クリニックや亀田IVFクリニック幕張をはじめ全てのサテライトクリニックの経営が黒字となりました。これは、各クリニックの院長をはじめとするリーダーシップはもとより、各クリニックの職員たちの努力の賜物です。そして今後更に当法人の発展を支える大きな力となってゆくでしょう。
2022年はポストコロナ時代の幕開けです。当法人は再びローカル&グローバルを目標にかかげ、木更津新病院計画を本格化します。現在、我が国トップレベルの病院プランナーや従来から当院マスタープランに参画してきた米国のプランナーとともに新病院のプランの検討が始まりました。亀田総合病院は2021年度、Newsweek社による評価で、世界43位、国内第3位にランクされましたが、新病院は、コンパクトでありながら、高度な医療を本院や地域の中核病院などと連携し提供する高度専門病院を目指します。2021年に成長戦略フォローアップとして閣議決定された国家戦略特区における規制の特例措置の全国展開という国の方針に沿い、我が国の次世代モデルとなるような病院を、次代を担うスタッフとともに創ってまいる所存です。
職員一同団結して明るい年といたしましょう。